1. 榎本好宏作品 |
  2.  同人の秀吟 |
  3.  航路抄 

No.6 2015年3月発行 榎本 好宏 選

白蓮のめしひとなりし良夜かな高橋博夫
節ごとに白際立ちぬ今年竹長谷川紫菀
月山の少し見えをり新豆腐林 百代
庭下駄の父の足形つくつくし秋丸康彦
立て膝で涼しく爪を切ることよ安部由美子
鰯雲碑は官軍の五番隊齊藤律子
佃島秋の簾となりにけり佐藤享子
大夕立豆炒るやうに跳ねてくる馬場忠子
香魚焼く匂ひいづくや解禁日馬場 良
東京に呼びたる母の踊かな日高俊平太
秋鯖に屋号の紙や糶終はる藤川三枝子
愛されて林檎は空に生れけり八木美恵子
雁や円空仏にぬくみあり山口悠紀子
いんげん摘む妻へ時々声かけて吉田一男
はたた神夫の晩酌終はる迄吉田洋子