No.32 2019年7月発行 榎本 好宏 選 |
よき辻を地の人に聞く風の盆 | 森田 公司 | 玉のごとき友ある幸や龍の玉 | 渡辺美津子 | 余生なり千枚漬けの唐辛子 | 別所 信子 | わが谺まだ若かりき初山河 | 小野崎清美 | 落葉焚く信玄餅の幟の辺 | 石井 公子 | 初泣きも笑ひも嬰を真ん中に | 保坂 定子 | 冬つばき電話の多き日なりけり | 高橋 博夫 | 愚痴といふ限りなきもの冬の雷 | 秋丸 康彦 | 床の間に鋏の音や藪柑子 | 蒲田 吟竜 | 入り相の鐘に大綿いづくより | 坂口 晴美 | 東雲のほがらに氷柱明りかな | 永井 環 | 飛石を真白き足袋の伝ふかな | 野田 武子 | 昨日今日底抜け晴れや冬の空 | 馬場 忠子 | 鴨川に灯の映りたる事始め | 宮下とおる | 寺の鐘冬めく音となりにけり | 八木美恵子 |