1. 主宰作品 |
  2.  同人の秀吟 |
  3.  航路抄 

No.27 2018年9月発行 榎本 好宏 選

しやぼん玉ほどの憶ひ出だけれども田口 冬生
病得て覚えし菊の根分かな渡辺美津子
囀りの谷戸の容に伽藍かな百瀬七生子
酒比べ肴くらべや亀の鳴く三浦  郁
大寒や白磁にひびの入るごとし船杉しん子
春キャベツ諸手量りに買ひにけり蓜島 良子
ものの芽のけぶる雨なり逢ひにこよ八木美恵子
寒牡丹淡路結びの藁ぼつち石井 博之
切るほどにのびてをらねど薺爪小谷 迪靖
薄氷に僅かな瀬音ありにけり斉藤 仲子
氷柱より松の青さの垂(しづ)りゐる髙﨑 研一
日脚伸ぶ譲りの紬ほどきをり露木 敬子
なやらひの鉦の高鳴り壬生狂言 永井  環
囀れば一樹が丸くなる朝馬場 昭子
遠ざかる足音ばかり冬の暮松崎 一男