No.22 2017年11月発行 榎本 好宏 選 |
雛の間背中合はせに仏の間 | 早野 和子 | 春の雲足利学校素読中 | 林 百代 | 萩根分関守石を片寄せて | 石井 公子 | 風光る舟屋は湾の形に沿ひ | 三浦 郁 | 囀や土蔵に百の朱のお椀 | 太田かほり | 新緑を映して水の暗きこと | 加藤 桂子 | 雪明り入れて柩を閉ぢにけり | 安部由美子 | 花の夜の料亭にある舟着場 | 木村 珠江 | 花冷えや息を一つに骨拾ふ | 後藤 政子 | 月朧たまさかなれど針と糸 | 角野精三郎 | 囀や奥に二の蔵三の蔵 | 永井 環 | 水分のひとつは木曾へ山桜 | 花村 美紀 | 花万朶己信じてよからうか | 船杉しん子 | 亡友(とも)に酌み花に酌みゐる竹の秋 | 松岡 郁夫 | 山桜留木の掟ありし村 | 室井津与志 |