No.10 2015年11月発行 榎本 好宏 選 |
海鳴りは獣の匂夜のさくら | 小林雪柳 | 水底の石に日差や初鵜飼 | 田中日沙子 | 菜の花や川石一つづつ暮るる | 林 百代 | 花は葉になりつつしだれしだれたり | 別所信子 | 土の色増やし幾筋遠雪崩 | 岡本りつ子 | 会津富士裾をかくして八重霞 | 菅家吉児 | 御開帳回向柱の立ちてより | 後藤千鐵 | 屋根替の檜皮を運ぶ京都御所 | 坂口晴美 | 飛鳥寺の秘仏に燭や花の闇 | 篠田 游 | ゆふぐれの菜の花あかりは吾が在所 | 末永淳子 | 花筏よけて棹さす渡し舟 | 田中 勝 | 総門につづき楼門花吹雪 | 永井 環 | 夕ざくら四ッ谷堤を市ヶ谷へ | 花村美紀 | 風薫るシェフの帽子の高きこと | 馬場昭子 | 梅の寺日清・日露の絵馬かかぐ | 松崎一男 |