No.37 2020年5月発行 榎本 好宏 選 |
野分晴れ草罠仕掛けてありさうで | 別所 信子 | 指それぞれ名のある不思議秋思かな | 内藤 雅博 | 酒蔵の灯されてをり花八ッ手 | 小野崎清美 | 包帯の人差し指や一葉忌 | 石井 公子 | 萩の庭歌詠み句詠み往き来して | 太田 直史 | すれ違ひ恋のにほひを赤のまま | 奥本 正昭 | あきついり鏡の中の西銀座 | 日高俊平太 | 桐輪積初雪のくる匂ひせる | 馬場 昭子 | 秋の夜の畳に飛びし足の爪 | 長田 敬子 | 烏瓜たぐり寄せてもなほさみし | 加藤 桂子 | いちじくの熟れて蜂の巣ふとりけり | 末永 淳子 | 穭田や濁りの残る信濃川 | 目黒 礼 | 山茶花や老いてやさしく四姉妹 | 山口 一枝 | 暖かくなれば逢はむと言ひしまま | 山野美賛子 | ひと摑み茹で一箸の菊膾 | 吉田みのる |