1. 主宰作品 |
  2.  同人の秀吟 |
  3.  航路抄 

No.44 2021年7月発行 日高俊平太 選

猪垣のゆるみしところから濡るる百瀬七生子
鬼の子の袋つまめばいのちあり早野 和子
花活けに足す元朝の藪柑子増田  曙
笹鳴きのたしかな声のそれつきり保坂 定子
命日の父と分けあふ新走り齊藤 眞人
病むといふその後は聞かず実南天佐藤 享子
風除の藁まだ乾く音のして藤川三枝子
耳朶の脈うつてゐる寒さかな 岩井 充子
花八ツ手けふの良きこと書き出して加藤 桂子
繭玉や祖父の帳場に大福帳金田 弥生
元日のひかりの溜まる力石木村 珠江
地のいろに還りし日数朴落葉下山永見子
黒壁の土蔵の罅や木守柿蓜島 良子
ひと息をつきて筬(をさ)持つ機初め馬場 昭子
手秤で母の決めおる茎の石吉田みのる