No.20 2017年7月発行 榎本 好宏 選 |
山積みの檜葉に忌み火を柚子祭 | 森田 公司 | 人許すことの難儀や龍の玉 | 飯塚 恒夫 | 巫女の緋の袴小走り十二月 | 内藤 雅博 | 鷽替の列延びつづく太鼓橋 | 三浦 郁 | 商ひの一間間口秋の暮 | 太田かほり | 侘助や茶席ときをり炭はねて | 保坂 定子 | 数へ日や二畝の葱残しゐて | 秦 愛子 | 大寒の朝の足音遠くより | 富田 要 | ぽつぺんのでこみへつこみほどの日日 | 宮下とおる | 雪螢とほに厄年なかりけり | 永井 環 | 百度踏み又跪(ひざまづ)く石の冷 | 上春 那美 | 巫女の注ぐかはらけ滲む新走り | 田中 勝 | 昼の月までもいぶして楮蒸す | 馬場 昭子 | 庭の柚子残さず入れよ冬至風呂 | 松岡 郁夫 | 佐保姫に百四歳の桃紅さん | 山野美賛子 |