No.26 2018年7月発行 榎本 好宏 選 |
風に反り月に磨かれ崖氷柱 | 小林 雪柳 | 軒下に薪積み足さる冬構 | 飯塚 恒夫 | 鐘冴ゆる一夜を京のやどりかな | 渡辺美津子 | 数へ日のひと日暮れゆく隅田川 | 高橋 博夫 | 探梅の日表へ出る切通し | 別所 信子 | おのがこゑ壁に響ける寒復習 | 内藤 雅博 | 北国の日和儲けや掛大根 | 秦 愛子 | 温まること無き嬶座十二月 | 蒲田 吟竜 | 茶の花の高さに母の見えかくれ | 後藤 政子 | 年越や三和土の乾く寺厨 | 坂口 晴美 | 吹きくぼむ葛湯や父の丸眼鏡 | 上春 那美 | 堂守の菊焚く匂ひ日暮まで | 露木 敬子 | 芋茎剥く屈みて母がせしやうに | 原山テイ子 | 岬の浜風紋踏みて大根干す | 藤川三枝子 | 神仏は母の役割年用意 | 渡部 華子 |