No.34 2019年11月発行 榎本 好宏 選 |
火に仕へ水に仕へて余寒なほ | 髙橋 博夫 | 象に乗る普賢のほとけ山ざくら | 内藤 雅博 | 虚子へ置く立子の墓の落椿 | 石井 公子 | 金堂に残る光背出開帳 | 三浦 郁 | 卒塔婆の数を揃へて春の寺 | 後藤 千鐵 | 花篝羽後の城下の辻々に | 田中 勝 | 遠花火夢をいだきし頃ありて | 石井 博之 | 春しぐれ毛塚にかもじくしかつら | 赤木 和子 | 着膨れて目蓋の重くなりにけり | 安部由美子 | 竹の秋母に習ひしこと多き | 石塚 富子 | 子の声の菜の花蝶となりにけり | 加藤 桂子 | 初蝶の案内(あない)の露地を茶室まで | 髙﨑 研一 | 東にしばしうぐひす南に | 中村いはほ | 水音を覆いつくせる雪椿 | 目黒 礼 | 菩提樹の花東塔へ納経す | 山野美賛子 |