No.25 2018年5月発行 榎本 好宏 選 |
声だけが近づいてくる芒原 | 小林 雪柳 | 赤とんぼ一族遠くなりにけり | 飯塚 恒夫 | 枝えだの柿の実見ゆる嬶座かな | 石井 公子 | 土蔵より椀運ばるる御講凪 | 菅 美緒 | 次の間へ次の間へ掃く秋日和 | 早野 和子 | 校庭の紅葉黄葉(もみじもみじ)や金次郎 | 内久根眞也 | 花芒先を急ぎて誰も過ぐ | 木村 珠江 | 踊の輪また膨らみて華やぎぬ | 斉藤 仲子 | 早朝の狼煙猟期の始まりぬ | 齋藤 律子 | 笑栗を長靴で剝く草の中 | 三瓶 一穂 | ぽつぺんの弾けるやうにくんち来る | 上春 那美 | 新しき杉玉蔵に燕去ぬ | 角野精三郎 | 晩鐘の真直ぐに来る刈田道 | 中村いはほ | 鳥ばかり見てゐて秋になりにけり | 八木美恵子 | 梟と月光浴へゆくところ | 山野美賛子 |