No.35 2020年1月発行 榎本 好宏 選 |
紀の川へ沿うて高野へねむの花 | 渡辺美津子 | 老の麦笛子らの草笛日本晴 | 早野 和子 | 父の日や仰ぐ銀座の大時計 | 天野 祐子 | 暑気払ひ男は北国(きた)の歌ばかり | 小野崎清美 | 若葉冷え湯殿へ続く長廊下 | 太田かほり | あの夜も梅雨寒樺美智子の忌 | 齊藤 眞人 | 鈴蘭の根づきの確(しか)ときのうけふ | 上春 那美 | 夏つばめ家族在りし日ひとりの日 | 富田 要 | 梅雨湿り時にはずれる子守唄 | 渡部 華子 | 湯あがりの母の匂ふや路地花火 | 秋丸 康彦 | 清張をとりまく紫煙夜の秋 | 安部由美子 | 寄せ植ゑの葱立ち上る日暮かな | 蒲田 吟竜 | 誰にあふわけでもなくて更衣 | 小谷 迪靖 | 梅雨入や猫の眠りの深きこと | 嵯峨 美子 | 花桐や雲よぎるたび濃く淡く | 永井 環 |