鵜馴らし | No.42 2021年3月発行 |
塵払ひ梅見の宴に一人づつ | 白魚の寸の反り身や一の膳 | 命日は燕来る頃来りけり | 手の届くもの皆蒼し実朝忌 | 枝川に小舟入りけり鵜馴らしに | 鵜馴らしの持て成しの舟仕立てらる | 御水取りの列の膨れて終りけり | 恋の猫人それぞれに物語り | 暮れながら信濃へ越へ帰る雁 | 春雷の石蓴(あをさ)の色にまた一つ | 雲雀野へ祭りの列の延びにけり | まづ嗅ぎて独活の若芽を持て成しに | 待つことも雛祭りの一つにて | どの縁の誰のつながり雛祭り | お招ばれの今宵酔ふべし白酒に |