春なれや | No.1 2014年5月発行 |
にんぐわつの尽きぬ素足の僧達に | 身離れも旅に適ひし蒸鰈 | てのひらの蕎麦粉はたきて雪形を | 月に掌を合はす三月十日けふ | 春の虹蛇笏のやうに手庇で | 水分の斑雪のあをき水もらふ | 淀みより間なく瀬からも帰る雁 | 春の雪家紋のやうに身罷りぬ | 伊勢参り箍をゆるめて桶伏せて | 風車持たせ誕生餅負はせ | 畦を塗るシベリヤ還りとも呼ばれ | 箸置きにまでも菜の花明りかな | 朧の夜母が耳打ちして外へ | 鍬の柄に顎載せ桜守たりし | 人信ず黄粉こぼして草餅を |
春なれや | No.1 2014年5月発行 |
にんぐわつの尽きぬ素足の僧達に | 身離れも旅に適ひし蒸鰈 | てのひらの蕎麦粉はたきて雪形を | 月に掌を合はす三月十日けふ | 春の虹蛇笏のやうに手庇で | 水分の斑雪のあをき水もらふ | 淀みより間なく瀬からも帰る雁 | 春の雪家紋のやうに身罷りぬ | 伊勢参り箍をゆるめて桶伏せて | 風車持たせ誕生餅負はせ | 畦を塗るシベリヤ還りとも呼ばれ | 箸置きにまでも菜の花明りかな | 朧の夜母が耳打ちして外へ | 鍬の柄に顎載せ桜守たりし | 人信ず黄粉こぼして草餅を |