遠初音 | No.36 2020年3月発行 |
顔見世の一人ひとりよ楽屋口 | 枇杷の花忘るることを手柄とす | 堅炭を割りて並べてさて何を | 牡蠣を剝く色の浜にも数へ唄 | 着重ねて言葉少なになりしはや | 誰言ふとなく三ヶ日済みにけり | 祖父の来て重ね直せり鏡餅 | 的を射る音も遠音や弓始め | 日蓮の像に笑みなし藪かうじ | 千両や仏を信じをらねども | 水仙の仏道から往還へ | 寒声のどれも御山に還りけり | 水仙や大島航路つつがなく | 探梅の足音ばかり天神へ | 一歩出て二歩下がりけり遠初音 |
遠初音 | No.36 2020年3月発行 |
顔見世の一人ひとりよ楽屋口 | 枇杷の花忘るることを手柄とす | 堅炭を割りて並べてさて何を | 牡蠣を剝く色の浜にも数へ唄 | 着重ねて言葉少なになりしはや | 誰言ふとなく三ヶ日済みにけり | 祖父の来て重ね直せり鏡餅 | 的を射る音も遠音や弓始め | 日蓮の像に笑みなし藪かうじ | 千両や仏を信じをらねども | 水仙の仏道から往還へ | 寒声のどれも御山に還りけり | 水仙や大島航路つつがなく | 探梅の足音ばかり天神へ | 一歩出て二歩下がりけり遠初音 |