桜あかり | No.25 2018年5月発行 |
犬ふぐり立てば短き己が影 | 二ン月の終ひ日晴れて了りけり | 辛夷の芽はやも生毛を光らせて | 囀やまた手庇の彼方より | 春霞木々染めながらさらに上に | 屋根葺きもお薄の席に招ばれけり | 囀の四方より声の兜太かな | 引鶴の羽音のやうに兜太逝く | 貝の殻持上げものの芽揃ひけり | 遺書書くとすれば一言亀鳴くと | 塩の道また山がかり岩燕 | 篝消え桜明りとなりにけり |
桜あかり | No.25 2018年5月発行 |
犬ふぐり立てば短き己が影 | 二ン月の終ひ日晴れて了りけり | 辛夷の芽はやも生毛を光らせて | 囀やまた手庇の彼方より | 春霞木々染めながらさらに上に | 屋根葺きもお薄の席に招ばれけり | 囀の四方より声の兜太かな | 引鶴の羽音のやうに兜太逝く | 貝の殻持上げものの芽揃ひけり | 遺書書くとすれば一言亀鳴くと | 塩の道また山がかり岩燕 | 篝消え桜明りとなりにけり |