旅づくろひ | No.37 2020年5月発行 |
命日の二つ済みけり寒昴 | 雪搔きて今宵誘うてもらひけり | 霞より来て巡礼のまた離(さか)る | 一畝を碧く返しぬ田搔馬 | 午後からは少し高みへ畦塗りも | 亀鳴くや灯消えたる法隆寺 | 初蝶と呟く限り旅心 | 幼らに少し遅れて孕み鹿 | 一尋は燕迎ふる高さにて | きのふより代田の匂ふ漣に | 紅梅の語りそめけり寺縁起 | 雛の間に一席もらふ旅の宿 | 回廊にまた足音や雛祭 | この先の旅づくろひや雛の間 | 立子忌の桃の蕾や墓の前 |
旅づくろひ | No.37 2020年5月発行 |
命日の二つ済みけり寒昴 | 雪搔きて今宵誘うてもらひけり | 霞より来て巡礼のまた離(さか)る | 一畝を碧く返しぬ田搔馬 | 午後からは少し高みへ畦塗りも | 亀鳴くや灯消えたる法隆寺 | 初蝶と呟く限り旅心 | 幼らに少し遅れて孕み鹿 | 一尋は燕迎ふる高さにて | きのふより代田の匂ふ漣に | 紅梅の語りそめけり寺縁起 | 雛の間に一席もらふ旅の宿 | 回廊にまた足音や雛祭 | この先の旅づくろひや雛の間 | 立子忌の桃の蕾や墓の前 |