名の月の頃よ | No.16 2016年11月発行 |
葵散る謂れどほりに梅雨の明く | 虫干しのもう一並べ母の物 | 耳打ちのやうに昼顔咲きにけり | 名の月の頃よ簾を外さねば | 待宵と昨夜の手紙の書き出しに | 音にして砂のこぼるる良夜かな | 月見草いつも見送りこの辺まで | 遍しと神の呟く望の月 | 鯊焼いてくるる忌明となりにけり | 水の澄む幸ひ事は人伝てに | きちかうの花搖るる世に戦なし | 結納に虫鳴く夜を選みけり |
名の月の頃よ | No.16 2016年11月発行 |
葵散る謂れどほりに梅雨の明く | 虫干しのもう一並べ母の物 | 耳打ちのやうに昼顔咲きにけり | 名の月の頃よ簾を外さねば | 待宵と昨夜の手紙の書き出しに | 音にして砂のこぼるる良夜かな | 月見草いつも見送りこの辺まで | 遍しと神の呟く望の月 | 鯊焼いてくるる忌明となりにけり | 水の澄む幸ひ事は人伝てに | きちかうの花搖るる世に戦なし | 結納に虫鳴く夜を選みけり |