第5回 受賞作品
榎本好宏 選
 第五回「航のつどい」全国俳句大会は、例年通り準備が進んでおりましたが、昨年春からの新型コロナウイルス蔓延の影響を受け、中止のやむなきに至りました。ただし、既に「全国俳句大会」の応募は始まっていたため、昨年八月の応募締め切りをもって、実施することとしました。
 会員が一堂に会することはかないませんでしたが、多くの投句をいただきました。令和二年度第五 回「航のつどい」全国俳句大会の記録として、ここに榎本主宰の選を発表します。

  

大会賞
秋の川法螺吹達の竿仕舞ひ福田 順律
特選
日の本に城の三万青山河龍野 和子
毛糸編む菩薩のごとく指立てて岩井 充子
呼び交す嬥歌(かがい)の山に秋のこゑ永井  環
白扇や敵の頭に香車打つ真下 忠男
終戦日子を抱くやうに米袋太田かほり
地震走る日本列島田水張る小林 雪柳
秀逸
秋暑しまこと首とは重きもの三浦  郁
戦をはり父在す夕餉冬瓜汁田中  勝
鉄塔の脚のふんばりはたたがみ保坂 定子
お袋様今年も菊の真盛り中村いはほ
夏蚕匂ふ馬のをらざる厩かな蓜島 良子
赤子抱くやうに冬瓜受けにけり渡辺美津子
法名に月の字のあり虫時雨下山永見子
花茣蓙の織目手につく頰につく佐藤 享子
秋ともし乳をやる影まあるきや花村 美紀
穂薄や又ひとしきり山の雨赤木 和子
作業着のままの黙祷出水跡大須賀衡子
日の本の夏はいづこも藪からし重田 順子
半島に白木槿咲く踊り来よ八木美恵子
経納めけりお薬師様は菊日和上春 那美
岬打つ浪音ばかり盆の月松岡 郁夫
彼岸花祭り幟の上がりけり露木 敬子
秋簾牛ざまに人横たはり早野 和子

   

  1. 第1回「航のつどい」 全国俳句大会
  2. 第2回「航のつどい」 全国俳句大会
  3. 第3回「航のつどい」 全国俳句大会
  4. 第4回「航のつどい」 全国俳句大会
  5.   第5回「航のつどい」 全国俳句大会